紀伊半島・伊勢源流彩2

紀伊半島・伊勢源流彩2
紀伊半島は大和、紀伊、伊勢、伊賀に大きくまたがる一大隆起山地だ。紀伊の中心はやはり大峰山脈台高山脈だが、白馬山脈、果無山脈などの名前に引かれる山域も多い。現代では熊野は世界遺産にもなったが、古より紀伊山地は熊野に代表される霊場山岳信仰も盛んだった。江戸期には、「お伊勢詣で」で庶民に知られるが、紀伊山中は武家時代はある意味逃げ場で、終焉の地でもあり、各時代の伝説や史蹟が多い。紀州源流彩の項で話すが、平維盛(たいらのこれもり)などの伝説だ。紀伊半島の渓流釣りは史蹟巡りではないが、紀伊半島に関してはある程度その歴史を知る必要かあるだろう。木の国=紀の国。渓が山と谷と一体なのは当たり前だが、まだ一般には知られていない見事な景観の場所もある。未開の渓流も多く、紀伊半島の奥深さを物語っている。伊勢路には大水系がある。宮川、櫛田川だ。河口も広く、雨季や増水した時は、紀伊の山に降った水を集めて、中国の大河の様になって海に注いでいる、何年か前には町が水没してるかの様に小高い山から遠望できた。紀伊半島でも伊勢の渓は大台ケ原に代表されるように、南の海上からの気候の影響が大きく、多雨多湿で源流域へ突然の豪雨となり、それが、一気に大増水となる河川が多い。そんな豪雨の浸食を受けた一番大きな渓谷が、大杉峡谷だ。宮川ダムのバックウォーターから大台ケ原へは日帰りは無理で、山中(有人山小屋有り)に一泊は必要だ。素晴らしい渓谷美はかつてテレビ中継された事もあり、美瀑と多雨による浸食の美しい渓は今も健在だ。また支流には堂倉谷という、巨大なアマゴが釣れた谷がある。最大の釜は堂倉滝だが、紀伊半島を代表する滝として有名だ。宮川貯水池ダムからは遊歩道管理がしっかりしており、初級者でも無理しなければ、途中までだが、渓谷美を堪能して、日帰りできる。ただ魚影はどうか?時期にもよるが、アブラハヤのオンパレもある。これは南紀紀伊半島全域に言えるが、五月でも泳げる程水温が高い渓流が多いので、ハヤの育成もすこぶる良好だ。しかもダム湖がある大杉谷やダムに差している谷には大挙して遡上する。地域の情報を知らないとアマゴ釣りどころでは無くなる。ただそのハヤに混じり、超大型アマゴも潜んでいる。



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