【匯想烈伝】回夢幻想渓流・日本渓流ＪＰ翠渓会 続・越後の渓流【再

【匯想烈伝】回夢幻想渓流・日本渓流ＪＰ翠渓会　続・越後の渓流【再回想】魚野川源流２ 万太郎谷

その万太郎谷は、当時でも新幹線や関越トンネルの工事の影響は少なかった。地図でみると、万太郎谷を貫いているようにも見える部分がある。万太郎谷の名前は以前から知っていたが、例の、つり人の日本の渓流に万太郎谷地図と写真が掲載され、憧れの谷を見たいと一気に想うようになった。それから、数年後のある年の夏、越後に出陣中、前夜に翠雪殿に行ってみたい谷がある。とだけ話しておき、夜中にこそこそキャップライトで地図を見て下調べをした。なかなか流程もあるし、袋谷を呈していた。目立つ支流はないが、越後の名渓、『万太郎』の文字に興奮してなかなか眠れなかった。 ゴルジュもあり厳しい谷なのだろうか？イワナはどこまでいるのかもわからない。現代の様に情報はあまりなかった。 早朝、翠雪殿が車を走らせ万太郎谷に向かった。釣り場を決めるのはいつも私だ。翠雪殿は文句も言わず付き合ってくれる。暫く林道を行くと崩壊で行き止まりだった。そこから歩く、夏の朝は気持ちが良い。白々明けで、ようやく万太郎谷の入り口に立った。いい渓相か？と谷を除くと水が少ない。大渇水状態だ。今年は暑いから、各渓流は水量が極端に少ない。少し渓相をみながら歩いて見る。あまり変わらないので、翠雪殿が、ここから入ろうと強引に谷へ降りた。降りてみるとスラブの発達した、ゴルジュと言うより、滑状の釜が連続する優しい谷だった。

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