【匯想烈伝】回夢幻想渓流・日本渓流JP翠渓会 続・奥多摩の渓流【

【匯想烈伝】回夢幻想渓流・日本渓流JP翠渓会 続・奥多摩の渓流【再回想】奥多摩・小川谷1



奥多摩の小川谷へは幾度となく通った。今は、賀廊谷(かろうだに)出合いからは車両は入れないが、当時は滝上谷を巻き小川谷林道で終点まで入れた。現在は更に伸びて出れば袋谷から解放され、細久保谷から上がってくる林道と結ばれ、将来は舗装計画もあるようだ。小川谷は、下流の倉沢や川苔谷よりも規模が大きく、支流も多い。今でこそ荒れてしまい平坦になってしまったが、当時は素晴らしい渓相が残っていた。しかしその後、林道延伸工事の影響と台風や相次ぐ出水で土砂が出て淵も埋まった。小川谷の源流は、秩父山地浦山川水系と尾根を隔てる、酉谷山(天目山)付近の水域を源とし、平行状に各支流を従え、堂々の流れで鍾乳洞の先の大滝を形成して流れていた。支流には本流筋の酉谷、悪谷、滝谷、犬麦谷、滝上谷、鳥居谷などがあるが、犬麦谷には50Mは有りそうな大滝、タツマノ滝が有る。大滝の下流はガレが多く林道工事の直撃を一番受けた谷だろう。酉谷は更に三つ又になり、コツ谷、日向沢に別れ、真ん中の沢が本谷。小川谷源流三つ又は林道工事の影響は無く、翠の美しい川苔が付き、翠の回廊と清麗な流れに囲まれて、最も奥多摩らしい渓相をしていた。美しい翠淵や木の香がする、翠渓回廊楽園があった。渓は自然のままがよいな…。そう思える谿の一つだった。小川谷周辺には良い渓が沢山ある。大雲取谷、小雲取谷、唐松谷、長沢谷、孫惣谷…。懐かしい谿ばかりだ。ある年の四月に入渓した。買ったばかりのダンロップツーリングテントを小川谷三ツ又に張り、翌日に備えた。朝、四時寒さで目覚めた。四月半ばだというのにシュラフでも寒かった。五時すぎにカップラーメンで体を暖めてから、入渓した。悪谷も滝谷も小滝が続いては小さな落ち込みで、イワナが釣れた。型は8寸程度で尺イワナは出なかった。今度こそは!と上流を目指すのだが、なかなか釣れない。数はかなりいたが、今はどうだろう?当時でも体長制限ギリギリの魚を根こそぎ持ちかえる輩もいた。名前が付いている訳でもなく、個人所有の谷でもない…。所定の入漁料を払えば何をしてもよいのか?奥多摩は首都圏から近く、初心者の釣り人も多い。ヤマメやイワナを知らない人さえいる。人が多い分そういう輩が多いのも奥多摩だ。「奥多摩は釣れない!」という人や「いい思いをした事がない!」ともよく聞く。時代は違うが私が通った頃はよく釣れたし、秩父通いが始まるまでは道場的存在の奥多摩の谿だった。そっとしておきたいが?これから釣る人も楽しめるような奥多摩になってほしい。

※賀廊谷について
賀廊谷は最近の色々な雑誌やネットに、間違った表記や勝手に解釈された表現が多く誤解され易い谷だ。まず読み方は濁らずに、〈かろうだに〉古い書物にはカロー川谷とあるものも有るが、かろう、かろーで同じ。また賀廊を賀朗谷とか賀郎谷とか間違った(知らない)表記が散見される。地元の人でも謂われを知らない人さえいる。世代交代しているので若者には興味の無い話だろう。またあやふやな話を信じ勝手な解釈をしている表記がネットには多い。賀廊とは?ガレ場の事では無い。地形から来る名には違いないが。廊は立ち上がるという意味に近く、渓流用語の「廊下」に近いが、賀廊谷の場合の〈かろう〉は、《からう》からの変語で、元は唐櫃から来ている語源だ。つまり〈からひつ〉を積み上げたように、そそり立ち上がる立壁のような、〈垂直の廊下地形〉を指している。からう→かろう、となり、賀廊は当て字だろう。本来は〈唐廊谷〉かもしれない。聖的な名前だ。ちなみ賀廊谷には、ガレ場などや開割のゴーロ帯に見られる〈ごうろ、五郎〉などの地形名は見られない。

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